優秀な学生がいつの間にか腐ってしまう

偏差値を重視した全国一斉の筆記試験、つまり日本の大学入試に合格するための勉強をするばかりで、物事の善し悪しを自分で考えてこなかったからでしょう。そして、入試に合格した後も、日本に真の大学教育がなかったことから、自分の頭で考えるということが身につかなかった。





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わたしは十数年講座を運営する中で
1000人の翻訳者志望と向き合ってきました。

数多くの成功と失敗、栄光と挫折を見てきました。

受講生の中には
海外の大学院を2つ出た人。
弁理士資格を持つ人。
MBAホルダー。
博士号を持つ人。
旧帝大を卒業したエリート。
英検1級・TOEIC満点の語学強者。
などなど

当初は簡単にプロになって卒業していくだろうと信じて疑わなかった。
けれどそうはならなかった。
不思議なことにトライアルを突破することすらできない。
突破しても低レートの仕事にしかありつけない。
不安定でしばらくすると消えてしまう。
訳質が維持できずに切られてしまう。
挙げ句逃亡してしまう。

ダメだった人に共通していること。
それは突破できないのにそれを認めることができない。
自分はこんなに優秀なのにおかしい。
こちらからこうしないとまずいと言っても無視する。
やがて暴走する。
そのうち講座の批判を始めます。
詐欺講座を始めた人もいます。



そんなことをしてもプロになれないのに...。


覚えたことを機械的に吐き出してもプロとして稼働できないのです。

ここで考えてもらいたい課題があります。

この文章をAI翻訳させたらどうなるか。

「山口とは友達だ。私は山口と岡山に行ったことがある。」

"Yamaguchi and I are friends. I have been to Yamaguchi and Okayama."

第一文は、わたしという人間が山口君という人間と「友達」という関係にあること。
第二文は、わたしが山口(という県か、地名か、地域かが不明)と岡山(という県か、
地名か、地域か)に行ったことがあるという「経験」を語っています。

この訳文では、第一文と第二文とは全く無関係です。
意味を理解しないAIは、機械的な置換をしているだけです。


これをMTPEしろという意味不明な仕事が翻訳業界では流行っています。

これをMTPEするのに、原文を

「私は友人の山口君と、山口県と岡山県に行ったことがある。」

を修正して、みらい翻訳に処理させると

"I have been to Yamaguchi and Okayama with my friend Yamaguchi."

と出力してくれます。


"Yamaguchi and I are friends. I have been to Yamaguchi and Okayama."
の英文を翻訳者に渡して
"I have been to Yamaguchi and Okayama with my friend Yamaguchi."
と修正させる作業があります。

MTPEと呼ばれています。

(ちなみに、下記の新井さんの記事では
"I have been to Okayama with Yamaguchi."となっていますが
いまはそこは気にする箇所ではありません。)

こうした作業はもはや翻訳ではありません。

原文のリライトです。
翻訳ではありません。

英文から英文への修正は、暗号解読に近いともいえます。
こういうふざけたごまかしがまかり通っているのが翻訳業界です。
翻訳を依頼するクライアントは気をつけないといけませんよ。


このような仕事をMTPEと称して安く低レベルな翻訳者を使って処理させています。
この業界は、近いうちにとんでもないことになるでしょう。
クライアントもバカじゃない。
そのうちバレます。

原文修正できる上級者は、こんな仕事は引き受けません。
ゼロから翻訳すればいいわけですし、低レートを我慢する必要もない。

トップ層は原文をプリエディットしてAIエンジンを使うだけです。
そして自分でMTPEする。
短時間で大量処理が可能です。
だから言っているのです。
これから生き残れるのはトップ層だけです。

上記の簡単な文章ですら、本来あるべき訳文への復元処理は難しい。

まして医学翻訳や特許翻訳だったらどうなるのでしょうか?

まだクライアントにはこの惨状はばれていないようですが、そのうちバレます。
業界は焼け野原になる可能性があります。


「山口とは友達だ。私は山口と岡山に行ったことがある。」

もし、この文章の第一文の「山口」が「山口県」のことで、
山口県が大好きな私が山口県を擬人化して言っているとすればどうしますか?
その場合、第二文とはどうつながりますか?
岡山県も大好きなのでしょうか?


原文の修正は本来難易度の高い作業です。

これからの翻訳者には
まずは原文を正確に等価交換的にプリエディットできる高い専門知識と
高い言語操作能力が必須になります。

簡単な文章ですらこの難しさです。
専門性の高い文章だったらどうなりますか?
覚悟したほうがいいです。

覚えたものを吐き出す語学学習と金を稼ぐ現場の翻訳はまったく別物です。

しかも納期厳守で大量の文章を処理しなければなりません。

大学までの語学女子のセルフイメージで始めると必ず挫折します。

過去は過去。
過去の栄光は一旦捨てて講座のガイドに素直にしたがって努力を継続すること。
それができない人は最初からおかしな夢を見ないことです。


ちなみに上の文章はここから取りました。




AIの良さと同時にAIの間違いの特性も理解することで、
AIを活用しつつ「真実を見極める力」を発揮することが求められるのです。


とあります。

これから生き残れるのはSランク以上だけです。

中途半端な努力しかできないならさっさと諦めること。


この言葉をかみしめるべし。

医学翻訳は学習も仕事も続けることが大事です。

学習段階の人はいくら勉強しても実力がつく感覚がなくて、勉強が続かず挫折する。

翻訳スクールの添削授業を受けること、NEJMのabstract和訳をお手本にすること、何とか翻訳ジャーナルや翻訳参考書を読むことが勉強だと思っているから、実力なんてつくわけがない。



トライアルを通って実際の仕事が依頼されるようになっても、納品可能なレベルに仕上げるのが辛くて挫折するか、手抜きして・ポカして医学翻訳業界から退場させられる。

10数人に実際の翻訳仕事を依頼して、本当の戦力になったのは2〜3人だったかな。



私が見てきたほとんどの人が上記のコースをたどりました。



効果が出るまでじっと我慢して勉強し、誠実に仕事をしてきた人だけが残る。






この記事にあるように、
本講座でも
自分の頭で考えられない「日本の偏差値エリート」のもろさが露呈しました。

高卒でも文系でも成功している人は成功しています。
自分のしくじりに向かい合うことです。
いくら語学だけ強化してもお金にはなりませんよ。

語学のお勉強にどれだけの年数、どれだけの大金を浪費してきたのかは知りません。

でも、お金をいただくことに貢献できない語学力はただのお飾りです。

ただの缶バッジコレクターに過ぎません。