人生をドブに捨てないために熟読すべし。



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1.受講前

私は50代になる頃から英語力向上のために、音声教材のシャドーイングや英文学の多読などの勉強を始めました。会社員としてのキャリアの終盤を迎えて、不安なく様々な地域の現地スタッフや顧客とのコミュニケーションが出来るレベルを目指して、週末は図書館にこもるようになりました。

数年間勉強を継続して、ヒアリング、スピーキング、リーディング力が着実に上がっていることを実感しました。部活を止めて毎日単語集や参考書を読んで、一度は苦手になった英語を克服した経験を思い出しました。

その頃に会社を退職して翻訳の仕事をしている先輩の話を聞き、フリーランスの翻訳者という職業に興味を持ちました。情報にあたってみると産業翻訳という分野があるらしい。翻訳スクールの先生や著名翻訳家によればまず英文法の基礎を固めるべきと書いているので、「表現のための実践ロイヤル英文法」を通読しました。その後は英文解釈や翻訳に関する参考書に集中的に取り組んで2年ほど経った時が受講開始の約3か月前でした。

次は何を勉強すれば翻訳者に近づけるのか。このまま英語の勉強を続けていても語学の広い海のどちらに向かえば良いのか。方向を見失いつつありました。技術英語、翻訳に特化した文法書、トライアル解説本、TOEIC対策の問題集などを読み始めましたが集中して続けることができません。

YouTubeに翻訳講座関係の動画がアップされていることは知っていました。レバレッジ特許翻訳講座の動画も何本か見ていましたが特に関心を払うことがありませんでした。翻訳雑誌で現役特許翻訳者へのインタビューを読んで、特許翻訳は専門分野に通じた技術者が経歴を生かしてやる特別な分野だと考えていたからです。「特許翻訳」でネット検索をすることはなく、当講座のホームページにたどり着くこともありませんでした。

高校時代に文系を選択して英数社三科目に絞り、大学の科目もできるだけ数学的な素養を必要としない講座を選びました。理数系的なものを選択肢から外し続けてきた私にとっては、特許翻訳は当然避けて通るべき分野でした。

方向性の定まらない日々が続いていましたが、ある日YouTubeでレバレッジ特許翻訳講座の無料動画30本プレゼントに目が止まりました。メルマガに登録して動画を入手し、講座案内もダウンロードしました。

いつまで読んでも続く講座案内でした。巷にある有料教材のような購入を煽るような文面でもありません。受講コースの種類や料金情報にたどり着きましたが、卒業生の体験記が果てしなく続きます。読む努力を試しているのではないかと感じながら、自分の環境に近い卒業生の受講感想を中心に読み進めました。

驚いたのは、理数系のバックグランドがゼロの人でも講座で化学・物理の基礎から学んで特許翻訳者として活躍されていることです。もしかしたら無縁だと思っていた特許翻訳の道に進めるかもしれないという希望を与えてくれる情報でした。

しかし、成功している卒業生は例外なく大変な努力を重ねてプロデビューしています。私は毎朝6時に起きて出社前の1〜2時間英語の参考書を読んでいるだけで満足していましたが、受講生は2時に起床して勉強している。自分に同じ事が出来るのか、これまでの自己ベストだった大学受験を超える集中力が果たして残っているのか不安に感じました。

この道以外に具体的にプロの翻訳者を目指せる方向を示してくれるものはないのではないかと考えながらも、どうしようか迷いました。

最終的にはメルマガ動画の「人生は決断の連続であり、今決められない人はこれからも決めることが出来ない」という叱咤に心が決まりました。「受講にあたって」を第10期最終締め切り日の夜に提出して受講を申し込みました。無料動画をダウンロードしてから1か月以内の決断でした。


2.環境構築

受講開始後に最初に行うことは3,000本以上のビデオセミナー動画をダウンロードすることでした。当時のネット環境の回線速度が不十分だったので約1か月かかりました。ダウンロードを完了して丸1日かけて動画のタイトルを頼りにフォルダー分けをしました。見当違いの分類をした動画もありますが、講座が提供している教材の全体感をつかむことができました。

私が置かれた状況で最も重要な要素は年齢的なものです。現時点で健康に大きな問題はありませんが、体力的な衰えは年々進んでおり、これ以上失って良い時間はありません。勉強するため、そして翻訳者として稼働するための環境は早い段階で整える必要があります。

そこで、PC・ソフト・オフィス機器・文房具などに関する動画を視聴して買い揃えるべきものを確認しました。

最初は受講開始の前月に買ったばかりのノートPCに28”の外付けモニターをつないで、狭い部屋で勉強を開始しました。 受講3か月目が終わる頃、勉強部屋を確保したのに合わせて、32”モニター、モノクロレーザープリンタ、ローラーバーマウス、コンテッサ2、穴開けパンチ(2穴、26穴)などリストアップしたあったアイテムを購入しました。こんなに高い椅子を買っても良いものかと少し迷いましたが、腰を痛めるよりはましと考え短期で揃えました。 その後デスクトップPCと追加の32”ディスプレー、カラーレーザーを購入し、ノートPCはバックアップ用にしました。

毎日の勉強は多くの卒業生の成功体験にならって朝型のスタイルにしました。4時起床から始めましたが、すぐに3時に変更しそのまま現在まで続いています。やってみたら出来たという感じですが、最初の1〜2か月は生活のリズムが安定せず、出社してお昼過ぎには頭が重くなる日がしばらく続きました。 200本近い物理・化学の動画を早くこなさなければいけないというプレッシャーがあり、自ずと優先順位が明確になりました。やる気が出たと言う感覚とは少し違いますが、まずは勉強時間の確保ができました。

平日4時間、週末8時間の勉強量が3か月目の終わり頃には平日5時間、週末10時間で安定するようになりました。会社から帰宅して就寝ぎりぎりまで勉強したり、週末は家から一歩も出ずに集中できる日もありますが、集中力が続かずに断続的に休憩が入るときもあります。欲張ると睡眠が浅くなって翌日に響くこともあるので、とにかく平均的な勉強時間を継続して年間2,000時間以上を確保したいと考えています。

3.理数系科目

最初は化学からと決めており、何から勉強を始めるかについての迷いはありませんでした。受講案内で紹介されていた「化学のドレミファ」が図書館にあったので一気に読もうと思いましたが3巻までで中止しました。初心者向けに分かりやすく書かれている良本です。しかし、高校はおろか中学の理科の記憶も抜けているので、あたらしい概念が登場するたびに速度を落とさないと読めず、同じページを読み返す必要も出てきました。

せっかく「岡野の化学」が講座で用意されているのだから、それを最初からやれば良いはずと思い直して動画視聴の計画を立てました。1時間前後の動画が213本なので、1日あたり3本こなせれば3か月以内に化学の基礎が終了できる計算になります。

すでに受講された方はお分かりでしょうが、こんなペースで進むはずがありません。大学受験を目的とした基礎的な教材を使っていますが、特許明細書を読みこなすために必要な知識を補うために、大学の教養課程レベルの内容に踏み込むこともあります。周辺分野や発展的事項についてネット検索してまとめる作業も必要となります。 1時間の動画を視聴するのに、断続的に動画を止めては情報収集と整理を行い、1週間に1度程度の頻度でノートの清書をしていると1日あたり2本見るのも難しくなりました。

最初はアルカン、アルケンだけでなくHClやNaOHのような基本の化合物の名前も分からず、それに加えて混成軌道など発展的な概念も登場してきて、理解出来ないことの多さに違和感が募りましたが、背伸びをしながら大学のレジュメを読み込みました。

講座で紹介された分子模型を購入して学んだ化合物を何度も組み立て、立体的なイメージで記憶の定着をサポートしました。そうこうするうちに少しずつ化学の勉強が面白くなっていき、あれほど理系科目に苦手意識があり、自分には向いていないと思い込んでいたことでも、基礎から一歩ずつ理解を積み上げていけば身につくという実感を持つことが出来ました。

有機化学を終えて理論化学に入ったときにも壁がありました。演習問題の計算は難しく、復習にも時間がかかりました。動画の板書を書き写すのは理解が進む心地よい時間で、時には元に戻ったりしながら問題を解きました。

講座では上位の特許翻訳者を目指すために大学や学会レベルを目指す志を持って努力するべきだと高い目標を提示されますが、現時点で知らないことや出来ないことがあっても批判のコメントは全くありません。我慢強く勉強を継続すれば誰でも実力をつけることができると繰り返し説明があり、丁寧に教えていただけます。

「岡野の化学」を5か月半で終えて、次に「橋本の物理」にとりかかりました。数学的な要素が強くなるので不安もありましたが、繰り返しノートに図解をして進めていきました。

受講開始当初、私のノートは受講生ブログに投稿されているような色分けした図解で整理されたものではなく、自己流の殴り書きでした。それを後から知子の情報に清書していたのですが「岡野の化学」の終盤あたりからしっかりと図解をするように変わっていきました。講座で繰り返し説明されていたのに、理解と記憶の定着のために手を動かして図解をするという効果的な手法を身につけるのに数か月を要してしまいました。素直さが欠けていました。

物理は化学と比較して調査することや覚えることが少なく、動画を視聴するだけであれば負荷は高くありません。単元は順調に進みますが、運用力を身につけるまでには至っていません。そこで、基本問題がコンパクトにまとまっている「化学のエッセンス」から問題を選んで解き、少しでも物理的な考え方を理解するために「物理学的アプローチ」の動画を並行して視聴しました。

物理の公式を自分なりに納得して理解するためには、単位と合わせて整理することが不可欠でした。基本法則は数式に落とし込まれるので、両辺の次元を正しく把握すること、異なる組み立て単位で表現できるように心がけて、時には動画を進めずに時間をかけて整理しました。

知子の情報に入力するときには、常に単位を明確にして公式のまとめをするようになりました。そして視認性が高く、一目で重要な箇所が分かるカード作成のこつが見えてきました。化学を始めた頃のカードを見直してみると、整理不足の情報が多く作り直しが必要だと気づきました。講座のビデオセミナーで指摘されている通り、これはデータベースの構築作業を続けてたことで初めて分かることで、必要な無駄だと実感しました。

もう1日に何本の動画を視聴するかは重要ではなくなっていました。自分が納得して進めるのであって必要があれば途中で何度でも動画を止めて作業をすることが普通となりました。

「橋本の物理」は多くの図解を用いて分かりやすく解説された教材です。しかし対象範囲が物理基礎なので力学以外の分野(熱力・波動・電磁気)の扱いが少なくなります。そこは機械・電気電子・半導体などの特許明細書を読むために理解しておく必要がある分野なので自分で補充する必要がありました。

講座の中でも紹介がありますが、ネット上に豊富な動画教材があり理解を助けてくれます。電磁気分野は単位の種類が一段と増えて難解だったので、YouTube動画を見てノートをとりました。また「物理 総合的研究」を購入して、逐一疑問点を調べるようにしました。

化学の勉強のためにも「新理系の化学」と「化学のエッセンス」を購入しましたが、すでに「岡野の化学」の無機化学に進んでいる頃でした。専門分野別に様々な情報をネット検索で得ることが出来ますが、日々の疑問点やあいまいな記憶の再確認用に、網羅性が高く索引の充実した参考書を受講の初期から用意しておいた方が良かったと思いました。

数学は受講開始以降もニュートン式「超図解 最強に面白い!!」シリーズを使った動画シリーズが次々と追加されていました。受講半年を過ぎて化学と物理が一段落した頃、まとめて時間がとれる連休の期間を利用して対数・三角関数・ベクトル・微分積分・虚数などの動画を視聴しました。分かりやすいイラスト中心の本と動画の説明で基本的なコンセプトを理解しました。時間をかけて練習問題を解いていく高校生向けの参考書では自習は難しかったでしょう。まだ数学の入り口でしかないと思いますが、これから積み上げる出発点に立つことは出来たと思います。


4.明細書学習

講座では化学・物理の基礎概念から明細書で開示される新規技術につなげるために、特許情報プラットフォームやGoogle Patentsなどで関連特許を検索する手法が紹介されます。

キーワードや商品分野をXmindに記入し、特許検索の一覧をファイルしてはいましたが、なかなか明細書そのものに取り組むことが出来ませんでした。特許の様式や文体に対する抵抗感が抜けず、どの分野を専門分野として取り組んで行くべきかの戸惑いもあり、化学・物理の動画をこなすだけでも精一杯で明細書に時間を割くことは得策ではないという考えもありました。

受講を開始して2か月過ぎたときにSkype相談に申し込みました。管理人さんから、私の社会人経験と関係のある領域から広げていく考え方を教えていただきました。提案された分野を参考に当面の自分の専門を10テーマほど決める、日本語で明細書を読み、次に英語の明細書を一文ごと公開訳や機械翻訳と比較しながら自力で翻訳する。これで行けるという自信があればトライアルへと進む。どうして良いか迷っていたときだったので、この方向でやってみようと明細書に取り組む意欲が高まりました。

手始めにMEMS関連の明細書を日本語で読むことにしました。結果論ですが、技術範囲の奥行きと裾野が広い難易度の高い分野で、ページ数も多く、最初に選択する明細書としては適切ではなかったかもしれません。最初のページから不明な用語が連続し、これほど意味不明の文章に出会ったことはないという状況でした。ちょうど化学で結晶を学んでおり、ファイルしていた大学のレジュメに関連項目が説明されていたので、これを参考にして明細書を読み進めました。

「岡野の化学」と並行しての作業でしたが一件の明細書を読むのに1か月かかりました。続けて同じ企業の関連特許を読みましたがそれでも時間がかかります。最初から最後まで明細書を読み通したことにはなりますが、時間が掛かりすぎるのでここで1回目の明細書学習は中断しました。

「橋本の物理」を始めた頃に投稿したブログへのコメントをいただきました。私が何かしら感じている部分を拙いブログから読み取り、明細書につなげていくために背中を押していただいたアドバイスでした。そういえば同じ10期の受講生ブログに対しても、関心のある分野から明細書を選んで技術を学ぶ手法について説明があったと思いだし、動画を見返してそこで行われていた検索をトレースして、要点をノートに書き取りました。

アドバイスに従って、フッ素関係の特許をいくつか選択しました。未知の専門用語を調べ、企業サイトから背景情報を得た上で明細書を読み、ブログ記事にまとめました。テフロンコーティングの明細書に進み、関連業界の情報をより入念に調べ、英文の特許文献も全て目を通しました。時間はかかりましたが、1件の特許にしっかり立ち向かったという手応えがありました。

次に、物理の復習として油圧回路、電子回路、照明回路など図面が多用されている明細書を読みました。日本語の明細書を中心にして、英語の明細書も織り交ぜるようにしましたが、日本語・英語の問題よりも、非言語的な表現方法(化学式、数式、機械図面、回路図)で表されたものを理解するための基礎力を養う必要性を感じていました。

「AIに負けない子どもを育てる」のリーディングスキルテスト体験をしました。係り受け解析・照応解決・同義分判定はほとんど正答でしたが、推論・イメージ同定・具体例同定で誤答が多いという結果でした。これは、汎用的読解力の「基礎的知識、非言語情報、具体例から文章を読み取る力」が足りないということであり、特許翻訳を学ぶ上でも克服する課題だと認識しました。

「物理再入門」動画シリーズの配信は私にとって最適のタイミングでした。テーマ毎の基礎概念を表すキーワードから特許へつなげていく視点が紹介され、それを参考にして明細書を検索しました。これまで一件ずつ時間をかけて読み込む作業をしてきましたが、速度を上げるために動画を視聴したら関連分野の明細書を選択し、できれば毎日一件明細書を読むことを目標にしました。

GPS測位、ジャイロセンサー、風力発電、ドローン、冷凍サイクル、ファイバースコープ、内視鏡、CTスキャン、EUV露光装置、超音波洗浄、など主に企業サイトを参照して技術分野の下調べを行い、図面に書き込みをして明細書を読みました。

応用技術を学ぶための企業サイト情報は豊富にあります。明細書を読むという明確な目的があったので、知識のない難しそうな技術分野の資料でも、短時間で集中して目を通すことができまました。物理や化学の高校レベルの概念を明細書へ接続させていく学習法がようやく身についてきたと感じました。

明細書を読む件数が増えるにつれて、違和感があった特許明細書の構成や独特の言い回しが馴染んできます。講座の掲示板でアメリカ特許審査便覧(MPEP)の案内があったので、合わせて明細書の構成、日米欧の特許法の要請、請求項の表現方法に関する参考資料をまとめて読みました。

講座を受講開始したころ、特許申請のしくみ、特許の要件、明細書の書式などに関する参考資料に形だけ目を通しましたがほとんど記憶に残りませんでした。今度は具体的な明細書を読んだ経験をベースに、自分が知りたいと願う情報として接したので、吸収力が違い理解が進みました。


5.ITスキル

Becky!、WordPress、知子の情報、Xmind Proにはじまり、種々のユーティリティソフト、秀丸と正規表現、CATツールから機械翻訳に至るまで、翻訳者として稼働するために必要なITスキルは事前の想定をはるかに超えていました。

私はマイクロソフトDOS時代に会社員としてのキャリアを開始したので、多くのソフトを業務で活用した経験がありますが、Windows XPがデファクトスタンダードとなってからはMicrosoft officeの基本機能を使うだけで不足を感じずに過ごしてきました。

講座の動画ダウンロードを終えて、ソフト関連の動画やXシリーズに目を通したときに、これは大変なことになると思いました。単機能のユーティリティソフト1本であっても、最新版や後継ソフトを探してダウンロード・インストールを行い、次に使い方を調べて動作確認して要点をメモすると数時間かかることもあります。ましてや正規表現の習熟やUIを一目見ただけでその複雑さに圧倒されそうなCATツールの習得にどのくらいの時間がかかるのか。理数系科目、明細書の学習と平行してITスキルの向上を着実に進めていかないと、後回しにしたら勉強を加速すべき時に大きな弱点をかかえてしまうことになるだろうと強いプレッシャーを感じました。

ある程度まとまった時間がないと普段の勉強と切り換えて集中できないので、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休み、などの連休をITスキル強化期間としました。

正規表現に関しては、英文明細書の体裁を整える手法がXシリーズに説明されています。メタキャラクタの使い方を調べて試してみたのですが検索・置換がヒットしないことが多く課題として残っていました。5月のGW直前の動画で正規表現の参考図書が案内されていたので、すぐにドリルを購入して2週間かけて練習問題をやりました。これまで参考書籍が紹介されても購入するまでに時間がかかっていたのですが、この時は迷わずにすぐに購入して活用しました。

ソフトの説明書は一度目を通しただけではすぐに忘れてしまいます。二度三度と繰り返し使わなければ定着しませんが、CATツールや翻訳作業に関連するユーティリティ類は、実際の訳出作業で使わないと習熟するのは難しそうです。私は講座開始直後にキャンペーンがあったのでTrados2021を購入しており、何度か操作法を覚えるために時間を割きましたが、継続して触れて自分のものにするまでには至りませんでした。受講開始直後にはTradosの購入は必須ではないという講座でのアドバイス通りでした。

そこで、対訳シリーズにとりかかる時に、Trados操作の練習も合わせて行うことにしました。
KokodokiさんのWordPressサポートを受講開始直後に受けて短期間でブログを立ち上げましたが、TradosのOJTコースは、対訳シリーズ学習時期に合わせていただくようにお願いしました。


6.対訳シリーズ

「物理再入門」と組み合わせて明細書を多読している途中でしたが、これまで手を付けていなかった翻訳の勉強を開始するために受講開始10か月を過ぎたタイミングで対訳シリーズを視聴しました。

化学、物理、明細書学習、ITスキルなどいずれも新しい分野にとりかかるときには、大きなエネルギーを必要としました。毎回視聴する動画に沿ってどの範囲と深さで調査を行い、メモをとるのか、翻訳対象の明細書を事前に読むべきかどうか、自分で翻訳してから取り組むべきかどうか、などスタイルを決めていく必要もあります。

結局これまでの経験を生かすために、明細書学習と同じ事前準備をすることにしました。背景情報調査、専門用語抽出、図面読解、それから原文・訳文の速読を行って明細書の内容を理解してから対訳シリーズの動画視聴を開始しました。この作業を事前に入れたことで、明細書翻訳を前提としたときの事前準備として不足しているもの、不要なものを知ることができました。

化学系の特許にも頻繁に登場する分析機器に興味があったので、最初の対訳シリーズとしてバリアンGC/MSを選びました。講座の手法を覚えながら、自分の訳文と講座訳・公開訳と比べて違いとその根拠を一つ一つ考察しながら進めました。

参考書では問題と正解が書かれています。ある程度実力が伴ってきたら問題を数多くこなして定訳を覚えたり誤訳しやすいパターンを収集する必要があるでしょう。しかし、翻訳作業のスタイルが確立されていない今の私には間違いと正解だけの組み合わせだけでは十分な気づきを得ることはできなかったと思います。

対訳シリーズでは、自分で試行錯誤して訳文を作ったあとに講師のプロセスを確認しました。一般的な表現と特許文書の表現との差異、クライアントの要請で変化する可能性のある許容範囲、突っ込んだ訳語と少し抽象化した安全サイドの訳語、複数の選択肢があり、試行錯誤があり、裏取りの調査があり、最後に判断を下します。

専門用語を徹底した裏取りで確定していくプロセス、文法的な判断のみに頼ることなく、図面を含めた技術理解から正しい読みにたどり着くアプローチは、特許翻訳者必須のスキルとして身につけたいと感じました。

1件の明細書を翻訳しただけですが、これから積み上げる方向性が見えてきたように感じます。技術英語として相応しい、正確で、なおかつ読みやすい訳文が作れるように練習を続けていきます。


7.今後の取り組み

これまで新しい課題に対して月単位で集中して順番に勉強を進めてきました。講座の2年目は実ジョブにつなげる最終的なゴールをイメージしながら、下記のテーマをバランスよく配分する必要があると考えています。

(1)翻訳力向上(対訳シリーズ、特許翻訳の参考書)
(2)明細書の多読(技術分野を浅く広く展開+専門分野の絞り込み)
(3)用語集・メモリ構築
(4)翻訳スキーム確立(機械翻訳・CATツール・校正ツール活用)
(5)CV作成
(6)トライアル応募

当初は、化学・物理の動画視聴を終えたらすぐ翻訳の練習を始めて一年以内にトライアルに挑戦するという計画を立てました。

明細書を取り入れた学習が定着せず、明細書多読の要領をつかむまで3か月以上費やしたことで、日程を後ろ倒しすることになりましたが、私にとっては必要なプロセスだったと考えています。

勉強を継続して年末までにトライアルに挑戦するつもりで、上記のテーマに取り組みます。
そして、2年目終了時点で自分が納得できる結果を得られるようにしたいと思います。

今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。



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【コメント】(講座受講を検討している方へ)

英語の学習に使った時間・お金が「オーバースペック」だったかどうかは、今となっては分かりません。

しかし、婚活中の女性が「料理学校」で習う料理が結婚後に必要かどうかは一度考える必要があります。多くの男性が期待しているのは「お子様ランチ」の豪華版なのであって、聞いたこともない「シャレオツ」な料理ではありません。食べたいものは「焼肉」「ハンバーグ」「スパゲッティ」「オムライス」「天ぷら」「カツ丼」の類いなのですから。

翻訳業というとまずは語学力=高い英語力=TOEIC高得点や英検1級・準1級を連想します。あるいは、大学受験で有名な定本を読破することや検定で最上位の認定を受けることを想像します。しかし、野球には野球の、水泳には水泳のために鍛えるべき筋肉があるように、まずは万能かつ完璧なフィジカルを備えてからスポーツの種目を選ぶという考えは「時間の無駄」です。

とくに中高年以降の会社員は、雇用不安・年金不安等に晒されているわけですから時間との闘いです。のんびりやっていると「兵糧」が尽きてしまいます。これから翻訳業を立ち上げたい、老後は何かでマネタイズしないとまずいが自分の持っている武器を見たときに翻訳業はどうだろうかなどと考えている場合には、まずは無料のSkype・Zoom相談を受けてください。その前にメルマガ登録して、サンプルビデオを視聴し、1か月無料コンサルを受けてみることです。毎日数時間PCに向かって作業すること自体が高いハードルと感じるはずです。学校を出て数十年、頭も心も体も相当痛んでいるはずです。ここから再度燃料に点火してセカンドキャリアというロケットを打ち上げるためには、相当な努力が必要となります。衰えた頭と心、日々を安易にやり過ごす「要領の良さ」だけが身についた大人になってしまった自分に問うてみてください。「俺は私は、もう一度立ち上がれるのか。」と。

やった風を装って、お勉強会やお茶会に参加して済む人、資産家の方は無理する必要はありません。いまさら本気出して何もできなかったら「カッコ悪い」じゃないですか。野菜ソムリエとか料理学校とかヨガとかフラメンコとかでお茶濁すのがイイと思います。意識高い系のお稽古事でキラキラした老後はそれはそれで素敵ですよ。

それでもやってみたい・このままでは終われない・悲惨な老後は嫌だという方は、メルマガ登録して「講座案内PDF」をお読みください。プロで稼働するハードルの高さがなんとなく見えてくるはずです。中高年になったら受験の時の緊張感はもう覚えていないと思いますが、再度大学受験するぐらいの努力ができるかどうかが問われますよ。講座受講料に不安を感じるなら「イートモ」買いましょう。それを見て、「なあんだ。簡単じゃん。」と思えるなら独学でやれる可能性があります。あくまで可能性なので自己責任でお願いしますね。それに、やって挫折するかも...という「豆腐メンタル」ではどうせ挫折します。絶対にやってやる!と決意してはじめても、全員が成功する保証はありません。やりきれるかどうかは、最後の最後で本人の問題なのですから。

AIエンジンも高性能化していますし、クラウド型案件システムが普及してます。これまでのやり方で稼いできた翻訳会社も個人の翻訳者も稼げなくなります。すでにこの2−3年で廃業に追い込まれた翻訳者も沢山います。世の中はどんどん厳しくなり、勝ち組と負け組の格差が拡大しています。この格差は政治でどうにかなるものではありません。

グローバル化し日本企業が外資化した時点で、いまのこの状況は見えていました。そしてこれからもっともっと日本人は貧困化するでしょう。遠くない将来に老いた親に送金するために、かっての発展途上国へと「出稼ぎ」する人が増えてくるでしょう。やるかやらないか、決めるなら一日でも早いほうがいいです。そしてやらないと決めたら、未練がましく業界の周辺を「ハエ」のように飛び回るのはやめましょう。惨めですから。「翻訳祭」とかにすがるのはみっともない。「諦めてない。諦めたと言ってないうちは負けてない。」とか言って60代になっても婚活ブログで息巻いている「女子」と同じですよ。人生は短いです。数十年の片道燃料の旅です。零戦特攻隊なのです。最後は焼かれて終わり。灰になるだけ。

講座の目標は、自分の中に別の自分を作り上げることです。その別の自分は自分のメンターであり、自分の教師です。「一人二役学習」が構築できなければ、自称プロなのにまたスクールに再入学したりするキモイ人になってしまいます。フリーランスとは自分で全部なんとかする人です。ゴルゴ13なのです。デューク東郷なのです。そうでなければ全体的に劣化する業界で、仕事を選び、依頼人を選び、高い報酬で活躍する人にはなれません。自分の中にもう一人の自分を作り上げる。それを意識していただくために「長い受講感想を書いてください」と言っています。振り返るぐらいの蓄積があるはずです。年単位で努力したのですから。5年も10年もかけてまだ仕事が安定的に受注できていない「情弱翻訳夢子」は猛省したほうがいいですよ。残りの人生をドブに捨てないためにも。




(講座管理人)











お花畑をスキップするのは

2年間

血尿が出るぐらい頑張ってからだ!!




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