会員７４（理系院卒、女性、主婦、元会社員）
受講感想
これは、退職した会社への逆襲を胸に特許翻訳者を目指す、元・時短勤務社員の受講感想です。それから、受講期間中に出産を経験した者の経過記録でもあります。理系院卒、企業での知財業務経験有り、８歳と０歳の子持ち、３０代女性。こんな受講生の記録が、これから受講を検討している方の参考となれば幸いです。
�� 受講に至った経緯
新卒で就職した会社は建設設備業。そこでプラント設計をやっていましたが、結婚出産を機に、知財部へ移動しました。育児のため、９時から１６時の時短勤務でしたが、業務の量は普通の社員と同じで月に１〜２回は県外への出張もありました。主人は長期出張が多く、ワンオペ育児でかなりハードな毎日。業務そのものは好きでしたが、上司が悪かった！いわゆるダメ上司です。ダラダラ仕事をして残業代を稼ぐタイプ。勤務時間中に奥さんとの離婚相談（！）や、私用のネットショッピングの話に付き合わされる上、仕事の指示は不明確で行き当たりばったり…ああ、いまだに悪口がスルスル出てきます。
毎年、上司の評価によって給料が決まるシステムでしたが、そんなダメ上司に付けられる私の評価はいつもＢ−。つまり、たいして仕事してませんよ、的な評価でした。理由を聞くと、「よくやってくれてるんだけどねぇ〜、あなた時短勤務だから」。
真面目に働いてそれなりに成果も出してきたのに、時短勤務だからという理由で、私の年収は新入社員以下でした。
日々のハードさと報酬が見合ってないと思いながら働くこと数年。ついにストレスから自律神経系に異常が出てしまい、生活にも支障をきたすように。こんな状態で仕事を続けても、給料はずっと上がらない。しかも定年までこの上司の下！ええい辞めてやる！！というわけで退職に至りました。
でもこのまま終わるのは悔しいじゃないですか。大学院まで出たのに、新入社員より低い給料でこき使われて、体壊して辞めましたって、人生大損じゃないですか。だから、休養して体調が戻ったら、なんとかして人より稼いで、あの上司と会社を見返してやろうという、暗〜い情熱が芽生えました。
辞める前から特許翻訳には興味がありました。知財の知識は身についているし、他の翻訳よりは単価が高いらしいという噂も聞いていたので、よし特許翻訳者になろうと決めたのですが、どうやったらなれるのか見当がつきません。求人募集にはたいてい「翻訳経験○年以上」って書いてあるんですが、その翻訳経験がない人間はどうすればいいのでしょうか？そうだ、資格だ！資格があれば経験がなくても使ってもらえるかもしれない！…今思えばこれが間違いでしたが、某翻訳資格取得を目指し、独学で勉強を始めたのです。
しかし何回受けても合格しません。勉強のやり方が分からず、プロの翻訳者の作業環境も知らず、なんとなく翻訳する日々。モチベーションは落ち、とにかく収入をと思い、内職やパートに迷走した時期もありました。そのうち校正の仕事を貰えるようになったものの、ワード単価なんと０．６円！安い！！やってもやっても収入は低いまま。そんな時、あの上司の顔がちらつきます。このままではマズイ。翻訳スクールには懐疑的だった私も、いよいよどこかの門を叩かねばとネット検索を重ねるうち、ついにレバレッジ特許翻訳講座にたどり着きました。（受講生ブログ何件かがきっかけだったと思います。）
メルマガや、無料ビデオを拝見し、「ここは巷のスクールとは違う。受講すればきっと特許翻訳者になれる。」とは思いましたが、やはりネット上の顔も知らない人の講座に５０万円も投資するのには勇気が要り、二の足を踏んでいました。
迷っているうちに、なんと妊娠。集中して勉強できるのはおそらく出産までの期間だけ。１年かかる講座をその期間でやらなければならない。今始めるか、それとも産後に始めるかを迷い、管理人さんに相談すると、過去に似たようなケースがあり産後に戻ってこられない方がほとんどとのこと。ということは、産後にゼロから始めるのは時間的精神的にかなり無理があるわけで、それならば、今始めてギリギリまでやっておいた方がいいと思いました。それに、生涯年収を考えると、始めるなら早いに越したことはないというシンプルな理屈もあり、受講することを決めたのです。
�� 受講初期
まず、出産後の中断期間を含めた計画を立てました。それからＣＶを作って管理人さんにチェックしてもらいました。ＣＶとは何ぞや…から始めたのですが、特許翻訳に特化したＣＶサンプルなんていうのはネットにはそうそう転がっていません。どういうアピールをすれば良いか、プロはどんな辞書を揃えて、どのようなＰＣ環境で作業しているのか…、ビデオから得られる情報はまるで禁断の扉の向こう側（表には出てこない情報という意味で）。私はゲームをしませんが、ＲＰＧってこんな感じではないでしょうか。魔王と戦いに行く勇者は、最初は弱い装備からスタートしますよね。それから武器屋で装備を揃える。どんな装備が必要なのかは、このＣＶ作りで学びました。そして自分に足りないものが何なのかも。それからＰＣ環境を一気に整えました。メモリを増設し、２ＴＢのハードディスクを外付けしました。インストールしたソフトは、秀丸、知子の情報、各種辞書、Ｔｒａｄｏｓなど。以前は、紙の英英辞典とウェブリオだけで翻訳作業をしていた私。翻訳というものを舐めていました。ちょっと「盛って」作ったＣＶに合わせて装備を揃えていくのは、剣や鎧を身にまとっていくような感覚でした。
さて、ひととおり揃えた装備もそのままでは使えません。使い方を練習し、何より自分の中身が伴わないと役に立たない、宝の持ち腐れです。いよいよ装備関係以外のビデオに入っていくのですが、あの気の遠くなるようなビデオの量！普通に見ていたら全然進まないので心が折れそうでしたが、他の受講生のブログで倍速再生ソフトなるものを知り、それを使ってからはサクサク進むようになりました。ＶＬＣメディアプレイヤーは速度を自由に設定できるのでとても便利です。
種類分けして、勉強方法やマインドに関するビデオから見ました。（要望を言わせていただくと、各タイトルに分野のラベリングをしておいて欲しかったです。そうすればタイトルでソートできるので、分類作業の時間が短縮できたのにと思います。）
学習曲線や学習心理学の話をちゃんと聞いたのは初めてでしたが、ココかなり大事だったと思います。この知識があったからこそ、長く厳しい勉強生活をあきらめずに続けられました。できたこと、できなかったこと、明日することを毎日日記につけました。どんな小さなことでも、できたことを自分で認めて評価する。こんな些細なことが、意外とモチベーションを保ってくれました。螺旋階段を登った量の可視化、大事です。
ノートには、手書きのノートではなくＯｎｅＮｏｔｅを使用しました。最初は手書きノートを作っていましたが、文字を書くのに時間がかかるし、Ｗｅｂページを印刷して切り貼りするのは、手間がかかりすぎてハードルが高い。ＯｎｅＮｏｔｅだと、ツークリックくらいで、Ｗｅｂページや画像をノートに貼り付けられます。あの説明どこに書いたっけ？という時も、キーワード検索すればすぐ見つかります。これでだいぶ時間の節約になりました。日記もＯｎｅＮｏｔｅ上。スマホからでもアクセスできるので、産後は授乳しながら書き込みできました。
次に手を付けたのは「明細書を読む」シリーズ。これがこの講座の真髄ではないかと思っています。訳語確定プロセス、検索の仕方、情報処理の取捨選択方法、ノートの作り方、仕事に対するマインド、全てが詰まっています。助かったのは、どこまで理解してどこからは理解しなくていいか、線を引いてもらえたこと。特許翻訳はその性格上、技術背景の知識が必要ですが、調べているとキリがありません。ここまで、というラインがあったために、調べることへのハードルが低くなり、苦手分野にも挑戦する気になれました。
�Ｄ簑擺�
…と、順調に勉強してきたかのように書いていますが、産前、肝心の翻訳作業は遅々として進みませんでした。ホルモンの影響でとにかく眠く、常に頭がぼーっとしていました。ぼーっとしながらもなんとか手は動かしていたのですが、内容が頭に入ってこず、この時はまだ「置換屋さん」のままでした。
出産まであと１か月という時期、ちょうど１社目のトライアルが始まったところで、切迫早産のため入院。ベッドの上で点滴に繋がれながら課題をこなし、なんとか提出するも結果は不合格。管理人さんに厳しいお言葉を頂きつつ、自己分析を深め、ようやく自分が「置換屋さん」だと気が付きました。が、風呂とトイレ以外はベッドの上という絶対安静生活が始まり、体を起こすことができないためパソコン作業もできず、勉強は一時中断。無事に出産できるのかという不安。勉強が進んでいないことへの焦り。チラチラ浮かぶ、元上司の顔。なのに体は思うように動かず、ベッドの上で腐っていました。そんな日々が約１か月続きましたが、ある日、予定より早い時期に緊急手術となり、なんとか無事に出産することができました。
�� 復活から終期まで
当初の計画通り、産後は育児に専念し、２か月後に勉強に復帰。その時、「体がラク！ビデオの内容がスイスイ頭に入ってくる！」と、感動したのを覚えています。ぼーっとする原因であったホルモンの分泌が止まり、体調の不安がなくなり、机に向かう体力も戻ったことで、憑き物が落ちたかのように頭がクリアになっていたのです。
それからは効率的に勉強が進みました。育児のスキをついての短時間ではありましたが、当初の予想とは正反対に、産後の方が集中して勉強できました。メインにやったのは「明細書を読む」シリーズ。課題を先に自分で訳し、答え合わせとしてビデオを視聴する日々。１回目のトライアルまでは、１対１の翻訳というか、対応する言葉が抜けていないかだけに注意したような訳し方をしていたのですが、それが「置換屋さん」だと気づいてからは一切やめました。原文を読んで得られたイメージから、日本語で表現を再構築していくというのでしょうか、イタコのようなスタイルに変えてからは、前より訳出作業が楽しくなりました。
訳に迷ったところには印をつけておき、管理人さんがどうやって訳語を確定させたのか、そのプロセスをＯｎｅＮｏｔｅに記録していきました。誤訳した箇所も同じようにし、なぜ誤訳してしまったのか、自己分析と改善策も一緒に記録しました。頭が「置換屋さん」モードに入った時にはたいてい誤訳しています。原文の記述を頭でイメージして訳すことを怠らないよう注意しています。それから、誤訳を繰り返さないよう、ＴｒａｄｏｓのＴＢやメモリに、メモ付きで登録します。将来、その単語に出会った際に同じことを繰り返さないための防衛策です。
実は１回目のトライアルまで「機械系の英訳」というこだわりをしぶとく持っていたのですが、すっぱり捨てました。「明細書を読む」シリーズが進むにつれ、「化学もイケるかも…」という自信が生まれましたし、和訳をやっていれば英訳もできるようになる、という趣旨のことを管理人さんがおっしゃっていたと思うのですが、２回目のトライアルでそれが少し実感できました。和訳の勉強しかしていないにも関わらず、たまたま来てしまった英訳のトライアルで、以前よりこなれた表現ができるようになった気がしたのです。英文を読み込んできたおかげで「ネイティブは確かこういう表現使っていたはず」というメモリが、自分の中に蓄積されているのを感じました。
ところで、管理人さんへ質問するときはかなり緊張しました。おかしな質問をしたら怒られる！と思うので、質問する前に脳内ロールプレイが始まります。私の脳内には、これまでに見た大量のビデオから生まれた「管理人さんアバター」が住んでおり、その人に質問すると「具体的にどこが分からないのか？思考停止になっていないか？○○は調べたのか？」などなどのお答えが返ってきます。そうすると自分の中で答えが見つかり、ご本人に質問するまでに解決することが多かったです。
�� 結果
受講期間残り２か月の時点でトライアルを再開し、手始めに２社応募しました。装備を揃え、練習を積み、ついに戦いに挑む前の勇者の気持ち。「太刀打ちできるんだろうか…」とすごく不安でしたが、始まってみればいつもどおりの作業を（いつもより念入りに！）しただけのことでした。
管理人さんのおかげで、私のＣＶは通用するものになっており、トライアル課題が送られてくる率は１００％です。そして現在の成績は、合格１社、結果待ち１社となっています。自分でも受験数が少ないと思いますが、子供にだんだん手がかかるようになり（これまでは寝ているだけだったので結構時間がとれていました）、確保できる作業時間を考慮するとあまり詰め込むことが出来ません。近々保育園に入れそうなので、そうしたら応募数を増やし、高レートでの合格を目指します。
��最後に
そういうわけで、私の逆襲はようやくその入口に立てそうなところまで来ました。問題はここからです。実ジョブの確保、そして定常的な受注と目標年収達成。管理人さんは年収１千万はいけるとおっしゃいますが、そのためには高レート確保と絶え間ない受注が必要です。自分はそのレベルに行けるのだろうか…と不安になりますが、ここまで自分を支えてくれた暗〜い情熱がある限り、きっと努力し続けることができると思っています。特許翻訳のその先へ。それも楽しみです。
ここまで逆襲逆襲と言ってきましたが、退職した会社に行って「アナタより稼いでいますのよオホホ（ざまーみろ！）」と自慢するわけではありません。よく考えてみると、私の逆襲とは、評価されなかった過去の自分への逆襲、時短勤務制度への逆襲ではないかと思います。年収が下がるのは会社や元上司のせいだけではなく、時短勤務という制度を利用する多くの女性が直面する問題です。女性が「雇用」という形態の上で育児をする以上、この問題は解消されないでしょう。みんな「席があるだけ有難い」と言って我慢しています。しかしそれは我慢するしかないのでしょうか？「雇用」という形態を離れれば、もっと自由になるかもしれない。労働と対価の構図がシンプルになり、実力次第ではもっと稼げるようになる。労働時間だけで人生が評価される問題への答えのひとつが、この講座ではないかと思っています。
それから受講中に出産を経験したことについては、やはりいろいろ大変だったのでオススメしません。しかし、受講を先延ばしにすることはもっとおススメしません。早く始めて早く稼げ、という管理人さんの言葉があったと思いますが、生涯年収を考えるとまさにその通り。入院中や育児中のしんどい時、こんな時期に始めたのは正解だったのかと何度も自問自答しましたが、やっぱり思いついた時に始める以外、選択肢はなかったと思います。だから、いつ受講するかを迷っている人には、今すぐ始めることをオススメします。ただ、私のように妊娠してから始める場合は慎重な判断を。私は実家のサポートが受けられない環境でしたが、二人目で気持ちに余裕があり、上の子は８歳で手がかからなかったのでやってこられました。人によって環境は違いますので、育児と勉強で追い詰められることのないよう選択して頂きたいです。
この１年はこれまでの人生の中でも濃い１年でした。ビデオセミナーの消化率は決して良いものではなく、結果が出たというには恥ずかしい成績です。それでも、１年前の自分からは成長しました。それは毎日つけてきた記録が証明しています。管理人さんが繰り返しおっしゃっていることを素直に実行すれば、必ず結果が出る講座です。この「素直に」というところが非常に難しく、いろいろ理由をつけて従わないこともあれば、分かっているのに手を抜いてしまうこともあります。そして失敗して振り返ってみると、やっぱり管理人さんの言うことが正しかったという経験は、たくさんの受講生の方がなさっていると思います。もし、大手スクールと比較して、知名度や信用の点で受講を迷っている人がいたらお伝えしたい。大丈夫ですと。ただし結果が出せるかどうかはあくまで自分次第ということはお忘れなく。コツは講座の手法を「素直に」踏襲することです。
最後に管理人さんにお礼を申し上げます。管理人さんが積み上げてきた知識とノウハウを惜しげもなく開示して下さりありがとうございました。でも、お礼の言葉なんかより、結果報告の方が嬉しいですよね。もう少し待ってて下さい。必ずいい結果をご報告します。
かなり長文になってしまいましたが、以上を私の受講感想とさせて頂きます。最後までお読み頂き、有難うございました。
※女性は大変です。婚活・妊活・出産・育児、家事に地域や学校関係のお付き合い、その中でマネタイズのためのスキルを積み上げるのは本当に大変かと。だからこそ、独身で時間があって、家のことは母親に任せっきりの実家暮らし組とかには、「のんびりしていると、やりたくてもできなくなる。時間が無くなりますよ。」と繰り返し言っています。人は、危機が迫った時、崖っぷちまで追い込まれて初めて覚醒します。しかし、崖っぷちから崖下に落ちきるまでの時間で「飛躍」できればいいですが、本当に、崖下＝環境が悪すぎる、と「這い上がれなく」なります。いま、自分がどこにいるのか。自力で判断できない方は、「無料スカイプ相談」を利用してください。無理矢理、講座に誘導することはしません。自分が思っているほど、まだ追い込まれていないのかも知れませんし、逆に、かなり厳しい状況でしばらく先にしたほうがいいのかも知れません。第三者的立場から、自分を俯瞰してみるきっかけに使っていただければと思います。主婦受講生の多くは、「子供が生まれる前にやったほうがいい。」と言っています。おそらく、家族が増えた後は、時間的にも体力的にも余裕が無くなるからでしょう。初めての育児で、講座に１０００時間単位の時間を回すことは、実家の協力が得られるとか、何らかの環境改善要素が無いと無理ではないでしょうか。「今できる」なら、「今、やれるか」がすべてです。人間は数十年の線分の上を歩いている生き物です。人生８０年だとすれば、４０歳で半分まで来ていることになります。生活が安定して使えるお金が手に入っても、それが７０歳なら老後の介護資金にはなっても、元気な時期のＱＯＬを上がった状態での「活用」には回せません。だからこそ、急ぐ必要があります。早く行動して、早く結果を出して、ＱＯＬを上げる。そこを目指す講座です。
受講感想
これは、退職した会社への逆襲を胸に特許翻訳者を目指す、元・時短勤務社員の受講感想です。それから、受講期間中に出産を経験した者の経過記録でもあります。理系院卒、企業での知財業務経験有り、８歳と０歳の子持ち、３０代女性。こんな受講生の記録が、これから受講を検討している方の参考となれば幸いです。
�� 受講に至った経緯
新卒で就職した会社は建設設備業。そこでプラント設計をやっていましたが、結婚出産を機に、知財部へ移動しました。育児のため、９時から１６時の時短勤務でしたが、業務の量は普通の社員と同じで月に１〜２回は県外への出張もありました。主人は長期出張が多く、ワンオペ育児でかなりハードな毎日。業務そのものは好きでしたが、上司が悪かった！いわゆるダメ上司です。ダラダラ仕事をして残業代を稼ぐタイプ。勤務時間中に奥さんとの離婚相談（！）や、私用のネットショッピングの話に付き合わされる上、仕事の指示は不明確で行き当たりばったり…ああ、いまだに悪口がスルスル出てきます。
毎年、上司の評価によって給料が決まるシステムでしたが、そんなダメ上司に付けられる私の評価はいつもＢ−。つまり、たいして仕事してませんよ、的な評価でした。理由を聞くと、「よくやってくれてるんだけどねぇ〜、あなた時短勤務だから」。
真面目に働いてそれなりに成果も出してきたのに、時短勤務だからという理由で、私の年収は新入社員以下でした。
日々のハードさと報酬が見合ってないと思いながら働くこと数年。ついにストレスから自律神経系に異常が出てしまい、生活にも支障をきたすように。こんな状態で仕事を続けても、給料はずっと上がらない。しかも定年までこの上司の下！ええい辞めてやる！！というわけで退職に至りました。
でもこのまま終わるのは悔しいじゃないですか。大学院まで出たのに、新入社員より低い給料でこき使われて、体壊して辞めましたって、人生大損じゃないですか。だから、休養して体調が戻ったら、なんとかして人より稼いで、あの上司と会社を見返してやろうという、暗〜い情熱が芽生えました。
辞める前から特許翻訳には興味がありました。知財の知識は身についているし、他の翻訳よりは単価が高いらしいという噂も聞いていたので、よし特許翻訳者になろうと決めたのですが、どうやったらなれるのか見当がつきません。求人募集にはたいてい「翻訳経験○年以上」って書いてあるんですが、その翻訳経験がない人間はどうすればいいのでしょうか？そうだ、資格だ！資格があれば経験がなくても使ってもらえるかもしれない！…今思えばこれが間違いでしたが、某翻訳資格取得を目指し、独学で勉強を始めたのです。
しかし何回受けても合格しません。勉強のやり方が分からず、プロの翻訳者の作業環境も知らず、なんとなく翻訳する日々。モチベーションは落ち、とにかく収入をと思い、内職やパートに迷走した時期もありました。そのうち校正の仕事を貰えるようになったものの、ワード単価なんと０．６円！安い！！やってもやっても収入は低いまま。そんな時、あの上司の顔がちらつきます。このままではマズイ。翻訳スクールには懐疑的だった私も、いよいよどこかの門を叩かねばとネット検索を重ねるうち、ついにレバレッジ特許翻訳講座にたどり着きました。（受講生ブログ何件かがきっかけだったと思います。）
メルマガや、無料ビデオを拝見し、「ここは巷のスクールとは違う。受講すればきっと特許翻訳者になれる。」とは思いましたが、やはりネット上の顔も知らない人の講座に５０万円も投資するのには勇気が要り、二の足を踏んでいました。
迷っているうちに、なんと妊娠。集中して勉強できるのはおそらく出産までの期間だけ。１年かかる講座をその期間でやらなければならない。今始めるか、それとも産後に始めるかを迷い、管理人さんに相談すると、過去に似たようなケースがあり産後に戻ってこられない方がほとんどとのこと。ということは、産後にゼロから始めるのは時間的精神的にかなり無理があるわけで、それならば、今始めてギリギリまでやっておいた方がいいと思いました。それに、生涯年収を考えると、始めるなら早いに越したことはないというシンプルな理屈もあり、受講することを決めたのです。
�� 受講初期
まず、出産後の中断期間を含めた計画を立てました。それからＣＶを作って管理人さんにチェックしてもらいました。ＣＶとは何ぞや…から始めたのですが、特許翻訳に特化したＣＶサンプルなんていうのはネットにはそうそう転がっていません。どういうアピールをすれば良いか、プロはどんな辞書を揃えて、どのようなＰＣ環境で作業しているのか…、ビデオから得られる情報はまるで禁断の扉の向こう側（表には出てこない情報という意味で）。私はゲームをしませんが、ＲＰＧってこんな感じではないでしょうか。魔王と戦いに行く勇者は、最初は弱い装備からスタートしますよね。それから武器屋で装備を揃える。どんな装備が必要なのかは、このＣＶ作りで学びました。そして自分に足りないものが何なのかも。それからＰＣ環境を一気に整えました。メモリを増設し、２ＴＢのハードディスクを外付けしました。インストールしたソフトは、秀丸、知子の情報、各種辞書、Ｔｒａｄｏｓなど。以前は、紙の英英辞典とウェブリオだけで翻訳作業をしていた私。翻訳というものを舐めていました。ちょっと「盛って」作ったＣＶに合わせて装備を揃えていくのは、剣や鎧を身にまとっていくような感覚でした。
さて、ひととおり揃えた装備もそのままでは使えません。使い方を練習し、何より自分の中身が伴わないと役に立たない、宝の持ち腐れです。いよいよ装備関係以外のビデオに入っていくのですが、あの気の遠くなるようなビデオの量！普通に見ていたら全然進まないので心が折れそうでしたが、他の受講生のブログで倍速再生ソフトなるものを知り、それを使ってからはサクサク進むようになりました。ＶＬＣメディアプレイヤーは速度を自由に設定できるのでとても便利です。
種類分けして、勉強方法やマインドに関するビデオから見ました。（要望を言わせていただくと、各タイトルに分野のラベリングをしておいて欲しかったです。そうすればタイトルでソートできるので、分類作業の時間が短縮できたのにと思います。）
学習曲線や学習心理学の話をちゃんと聞いたのは初めてでしたが、ココかなり大事だったと思います。この知識があったからこそ、長く厳しい勉強生活をあきらめずに続けられました。できたこと、できなかったこと、明日することを毎日日記につけました。どんな小さなことでも、できたことを自分で認めて評価する。こんな些細なことが、意外とモチベーションを保ってくれました。螺旋階段を登った量の可視化、大事です。
ノートには、手書きのノートではなくＯｎｅＮｏｔｅを使用しました。最初は手書きノートを作っていましたが、文字を書くのに時間がかかるし、Ｗｅｂページを印刷して切り貼りするのは、手間がかかりすぎてハードルが高い。ＯｎｅＮｏｔｅだと、ツークリックくらいで、Ｗｅｂページや画像をノートに貼り付けられます。あの説明どこに書いたっけ？という時も、キーワード検索すればすぐ見つかります。これでだいぶ時間の節約になりました。日記もＯｎｅＮｏｔｅ上。スマホからでもアクセスできるので、産後は授乳しながら書き込みできました。
次に手を付けたのは「明細書を読む」シリーズ。これがこの講座の真髄ではないかと思っています。訳語確定プロセス、検索の仕方、情報処理の取捨選択方法、ノートの作り方、仕事に対するマインド、全てが詰まっています。助かったのは、どこまで理解してどこからは理解しなくていいか、線を引いてもらえたこと。特許翻訳はその性格上、技術背景の知識が必要ですが、調べているとキリがありません。ここまで、というラインがあったために、調べることへのハードルが低くなり、苦手分野にも挑戦する気になれました。
�Ｄ簑擺�
…と、順調に勉強してきたかのように書いていますが、産前、肝心の翻訳作業は遅々として進みませんでした。ホルモンの影響でとにかく眠く、常に頭がぼーっとしていました。ぼーっとしながらもなんとか手は動かしていたのですが、内容が頭に入ってこず、この時はまだ「置換屋さん」のままでした。
出産まであと１か月という時期、ちょうど１社目のトライアルが始まったところで、切迫早産のため入院。ベッドの上で点滴に繋がれながら課題をこなし、なんとか提出するも結果は不合格。管理人さんに厳しいお言葉を頂きつつ、自己分析を深め、ようやく自分が「置換屋さん」だと気が付きました。が、風呂とトイレ以外はベッドの上という絶対安静生活が始まり、体を起こすことができないためパソコン作業もできず、勉強は一時中断。無事に出産できるのかという不安。勉強が進んでいないことへの焦り。チラチラ浮かぶ、元上司の顔。なのに体は思うように動かず、ベッドの上で腐っていました。そんな日々が約１か月続きましたが、ある日、予定より早い時期に緊急手術となり、なんとか無事に出産することができました。
�� 復活から終期まで
当初の計画通り、産後は育児に専念し、２か月後に勉強に復帰。その時、「体がラク！ビデオの内容がスイスイ頭に入ってくる！」と、感動したのを覚えています。ぼーっとする原因であったホルモンの分泌が止まり、体調の不安がなくなり、机に向かう体力も戻ったことで、憑き物が落ちたかのように頭がクリアになっていたのです。
それからは効率的に勉強が進みました。育児のスキをついての短時間ではありましたが、当初の予想とは正反対に、産後の方が集中して勉強できました。メインにやったのは「明細書を読む」シリーズ。課題を先に自分で訳し、答え合わせとしてビデオを視聴する日々。１回目のトライアルまでは、１対１の翻訳というか、対応する言葉が抜けていないかだけに注意したような訳し方をしていたのですが、それが「置換屋さん」だと気づいてからは一切やめました。原文を読んで得られたイメージから、日本語で表現を再構築していくというのでしょうか、イタコのようなスタイルに変えてからは、前より訳出作業が楽しくなりました。
訳に迷ったところには印をつけておき、管理人さんがどうやって訳語を確定させたのか、そのプロセスをＯｎｅＮｏｔｅに記録していきました。誤訳した箇所も同じようにし、なぜ誤訳してしまったのか、自己分析と改善策も一緒に記録しました。頭が「置換屋さん」モードに入った時にはたいてい誤訳しています。原文の記述を頭でイメージして訳すことを怠らないよう注意しています。それから、誤訳を繰り返さないよう、ＴｒａｄｏｓのＴＢやメモリに、メモ付きで登録します。将来、その単語に出会った際に同じことを繰り返さないための防衛策です。
実は１回目のトライアルまで「機械系の英訳」というこだわりをしぶとく持っていたのですが、すっぱり捨てました。「明細書を読む」シリーズが進むにつれ、「化学もイケるかも…」という自信が生まれましたし、和訳をやっていれば英訳もできるようになる、という趣旨のことを管理人さんがおっしゃっていたと思うのですが、２回目のトライアルでそれが少し実感できました。和訳の勉強しかしていないにも関わらず、たまたま来てしまった英訳のトライアルで、以前よりこなれた表現ができるようになった気がしたのです。英文を読み込んできたおかげで「ネイティブは確かこういう表現使っていたはず」というメモリが、自分の中に蓄積されているのを感じました。
ところで、管理人さんへ質問するときはかなり緊張しました。おかしな質問をしたら怒られる！と思うので、質問する前に脳内ロールプレイが始まります。私の脳内には、これまでに見た大量のビデオから生まれた「管理人さんアバター」が住んでおり、その人に質問すると「具体的にどこが分からないのか？思考停止になっていないか？○○は調べたのか？」などなどのお答えが返ってきます。そうすると自分の中で答えが見つかり、ご本人に質問するまでに解決することが多かったです。
�� 結果
受講期間残り２か月の時点でトライアルを再開し、手始めに２社応募しました。装備を揃え、練習を積み、ついに戦いに挑む前の勇者の気持ち。「太刀打ちできるんだろうか…」とすごく不安でしたが、始まってみればいつもどおりの作業を（いつもより念入りに！）しただけのことでした。
管理人さんのおかげで、私のＣＶは通用するものになっており、トライアル課題が送られてくる率は１００％です。そして現在の成績は、合格１社、結果待ち１社となっています。自分でも受験数が少ないと思いますが、子供にだんだん手がかかるようになり（これまでは寝ているだけだったので結構時間がとれていました）、確保できる作業時間を考慮するとあまり詰め込むことが出来ません。近々保育園に入れそうなので、そうしたら応募数を増やし、高レートでの合格を目指します。
��最後に
そういうわけで、私の逆襲はようやくその入口に立てそうなところまで来ました。問題はここからです。実ジョブの確保、そして定常的な受注と目標年収達成。管理人さんは年収１千万はいけるとおっしゃいますが、そのためには高レート確保と絶え間ない受注が必要です。自分はそのレベルに行けるのだろうか…と不安になりますが、ここまで自分を支えてくれた暗〜い情熱がある限り、きっと努力し続けることができると思っています。特許翻訳のその先へ。それも楽しみです。
ここまで逆襲逆襲と言ってきましたが、退職した会社に行って「アナタより稼いでいますのよオホホ（ざまーみろ！）」と自慢するわけではありません。よく考えてみると、私の逆襲とは、評価されなかった過去の自分への逆襲、時短勤務制度への逆襲ではないかと思います。年収が下がるのは会社や元上司のせいだけではなく、時短勤務という制度を利用する多くの女性が直面する問題です。女性が「雇用」という形態の上で育児をする以上、この問題は解消されないでしょう。みんな「席があるだけ有難い」と言って我慢しています。しかしそれは我慢するしかないのでしょうか？「雇用」という形態を離れれば、もっと自由になるかもしれない。労働と対価の構図がシンプルになり、実力次第ではもっと稼げるようになる。労働時間だけで人生が評価される問題への答えのひとつが、この講座ではないかと思っています。
それから受講中に出産を経験したことについては、やはりいろいろ大変だったのでオススメしません。しかし、受講を先延ばしにすることはもっとおススメしません。早く始めて早く稼げ、という管理人さんの言葉があったと思いますが、生涯年収を考えるとまさにその通り。入院中や育児中のしんどい時、こんな時期に始めたのは正解だったのかと何度も自問自答しましたが、やっぱり思いついた時に始める以外、選択肢はなかったと思います。だから、いつ受講するかを迷っている人には、今すぐ始めることをオススメします。ただ、私のように妊娠してから始める場合は慎重な判断を。私は実家のサポートが受けられない環境でしたが、二人目で気持ちに余裕があり、上の子は８歳で手がかからなかったのでやってこられました。人によって環境は違いますので、育児と勉強で追い詰められることのないよう選択して頂きたいです。
この１年はこれまでの人生の中でも濃い１年でした。ビデオセミナーの消化率は決して良いものではなく、結果が出たというには恥ずかしい成績です。それでも、１年前の自分からは成長しました。それは毎日つけてきた記録が証明しています。管理人さんが繰り返しおっしゃっていることを素直に実行すれば、必ず結果が出る講座です。この「素直に」というところが非常に難しく、いろいろ理由をつけて従わないこともあれば、分かっているのに手を抜いてしまうこともあります。そして失敗して振り返ってみると、やっぱり管理人さんの言うことが正しかったという経験は、たくさんの受講生の方がなさっていると思います。もし、大手スクールと比較して、知名度や信用の点で受講を迷っている人がいたらお伝えしたい。大丈夫ですと。ただし結果が出せるかどうかはあくまで自分次第ということはお忘れなく。コツは講座の手法を「素直に」踏襲することです。
最後に管理人さんにお礼を申し上げます。管理人さんが積み上げてきた知識とノウハウを惜しげもなく開示して下さりありがとうございました。でも、お礼の言葉なんかより、結果報告の方が嬉しいですよね。もう少し待ってて下さい。必ずいい結果をご報告します。
かなり長文になってしまいましたが、以上を私の受講感想とさせて頂きます。最後までお読み頂き、有難うございました。
※女性は大変です。婚活・妊活・出産・育児、家事に地域や学校関係のお付き合い、その中でマネタイズのためのスキルを積み上げるのは本当に大変かと。だからこそ、独身で時間があって、家のことは母親に任せっきりの実家暮らし組とかには、「のんびりしていると、やりたくてもできなくなる。時間が無くなりますよ。」と繰り返し言っています。人は、危機が迫った時、崖っぷちまで追い込まれて初めて覚醒します。しかし、崖っぷちから崖下に落ちきるまでの時間で「飛躍」できればいいですが、本当に、崖下＝環境が悪すぎる、と「這い上がれなく」なります。いま、自分がどこにいるのか。自力で判断できない方は、「無料スカイプ相談」を利用してください。無理矢理、講座に誘導することはしません。自分が思っているほど、まだ追い込まれていないのかも知れませんし、逆に、かなり厳しい状況でしばらく先にしたほうがいいのかも知れません。第三者的立場から、自分を俯瞰してみるきっかけに使っていただければと思います。主婦受講生の多くは、「子供が生まれる前にやったほうがいい。」と言っています。おそらく、家族が増えた後は、時間的にも体力的にも余裕が無くなるからでしょう。初めての育児で、講座に１０００時間単位の時間を回すことは、実家の協力が得られるとか、何らかの環境改善要素が無いと無理ではないでしょうか。「今できる」なら、「今、やれるか」がすべてです。人間は数十年の線分の上を歩いている生き物です。人生８０年だとすれば、４０歳で半分まで来ていることになります。生活が安定して使えるお金が手に入っても、それが７０歳なら老後の介護資金にはなっても、元気な時期のＱＯＬを上がった状態での「活用」には回せません。だからこそ、急ぐ必要があります。早く行動して、早く結果を出して、ＱＯＬを上げる。そこを目指す講座です。
