ぼくが執筆や評論の仕事をしながらも会社にずっと所属する理由は、自分の世界が狭くならないようにするためです。

そう思うようになった直接のキッカケは、非常に世界が狭くなってしまった人を見てきたからでした。大学の先輩で、大学卒業後フリーランスになった、翻訳一筋の方。素晴らしい翻訳家でしたが、やがて非常に世界が狭くなってしまいました。特に翻訳は、自分の世界の中だけで辞書と参考資料と首っ引きでやる世界ですから、考えが煮詰まってしまったのでしょう。ある時からトンデモ本に取り上げられるような、トンデモ翻訳の世界に入り込んでしまったのです。

他人と触れ合う機会がないことは、それだけでハンデだと、ぼくは思います。同じフリーランスでも自分からどんどん人に会いに行ったり、ネットワーキングの機会があったりすればまだいいのですが。基本的に、そういった機会は自分で作るしかありません。

http://news.goo.ne.jp/article/wirelesswire/bizskills/wirelesswire_201211161500.html